面白かった。
ただ、続編が読みたいと思ったけど、出てないんですよね…。
本作の発売が2020年12月で、そこから2025年8月現在まで音沙汰がないところを見るに、続編はかなり望み薄だと思われる。(著者の他のシリーズ作品を見ると最低でも2年越しには続編が出ているが、本作は現時点で5年経過しているため…)。
これは著者の他作品でも思ったことだが、おそらく著者は新作を書く際に、続編を書こうと思えば作れるように物語上しておいて、その後の売れ行き次第で続編を書くかどうか決めているのだと思われる。(これはもしかしたら、著者というより編集の意向かもしれないが。)
もしそうだとして、賢いやり方ではあると思うが、読者としてはシリーズ化しないのなら変な含みを持たして続編を匂わせるなどはせずに、その1作できれいに完結させて欲しいものである。
小説投稿サイト「小説家になろう」の界隈では作品が未完のまま終わることを指して、エタるという言葉が使われることがあるが、ともかく読者としてはしっかりと物語の結末を見届けたいのだ。
と、若干グチめいた前書きになってしまい、大半の読者はここに辿り着く前に既にブラウザバックをしていることだろうと思われるが、
ここから本作『青矢先輩と私の探偵部活動』の魅力やその感想について語ってみたい。
目次
あらすじ
まず本作の内容についてだが、本作はいわゆる学園ものミステリであり、その設定自体にとくに目新しさはない。
ただユニークな点を1つあげるとすれば、本作で探偵役をつとめる青矢先輩は、名のしれた全寮制の男子高に通っているのだが、なんと校則によって女子と会うことを禁じられている。なので、もし会っていることが見つかってしまったら大変なことになる、という設定である。
そこで本作の主人公、森崎美玖(みく)は一計を案じ、青矢先輩と会うときは毎回、男装をして会うことになっている。
このバレたらマズい…!大変なことに…!という設定が、物語に適度な緊迫感をあたえていて面白い。
ここいらで簡単にあらすじを紹介しておくと、本作のメインとなる登場人物は2人いて、まず、中学の頃から全国模試で1位を取り続ける超秀才、青矢理生斗(りおと)こと青矢先輩と、そんな彼とひょんなことから知り合うこととなり探偵のコンビを組むこととなる本作の主人公、森崎美玖(みく)こと、通称ミクオである。
もちろん、ミクオというのは上述したように、男装している時の仮の呼び名である。
ちなみにミクオにはおばあちゃん仕込みのことわざが得意という一面もある。
本作は、そんな超秀才な先輩と、ひたすら真っ直ぐな主人公が日常に潜む謎を解決していく物語である。
面白かった点
王道だがやはり面白い
本作は学園モノならではの魅力も十二分に発揮している。
例えば中学1年生の主人公ミクオが入ろうとした部活、「探偵部」が既に廃部になってしまっており、主人公が探偵部を復活させようと奮闘する姿も描かれている。
部活動が廃部の危機に…!とか廃部からの復活…!なんかは学園モノの定番ではあるが、やはり読者としては面白い部分ではある。
過去と未来が交差するシーンも良い
他には、胸熱の設定として、主人公の母親と父親も過去に探偵部として活動しており(母親は探偵部の部長だった)、2人はそこで出会った。なんていう設定もあり、主人公を通して、物語が過去と交差するシーンもあったりで、なかなか読んでいて楽しかった。
肝心のミステリとしての謎解き部分については、探偵役である青矢先輩の嫌味のない、そのまっすぐな性格も相まって良かった。
ミステリとしてはライトな部類に入るが、肩の力を抜いて読めるからと言って、決して謎解き部分は手を抜いておらず、そつなくまとまっており、楽しめた。
徐々に変化していく2人の関係性も見逃せない
あとは、なんといっても青矢先輩と主人公の徐々に変化していく関係性も本作の魅力で、
なんでもできてしまうがゆえに、いつも退屈していた青矢先輩が、探偵部の活動に魅力を見出し、どんどん前のめりになっていくのも面白いし、
徐々に深まっていく主人公ミクオとの信頼関係や友情?も見過ごせないポイントで、そんな2人の活躍をもっと読みたいと思ってしまった。(だけど、一番はじめに書いたように、続編が(あるかどうかもわかならいが)5年も音沙汰なしなんだよな…悲c)
まだ、未読の方にはぜひおすすめしたい作品だし、既に読んだよって方は、XなどのSNSで熱い感想をつぶやきまくるんだ…!そうすれば…続編が…。

